「実車評価は必要なんですよ!これは免許センターが解決する問題でしょう!」

これは、かつて私が免許センターで病気や障害を持つ方の運転適性判断を担当していた時に、ある病院の医師から言われた言葉です。

例えば、脳卒中などで高次脳機能障害を生じた方は、その影響をきちんと確認した上で運転再開の手続きを進めなくてはいけません。
日本高次脳機能障害学会のガイドラインには「運転適性判断のゴールドスタンダードは実車評価である。」※1 と記載されていますが、必要とされているはずの実車評価が思うようにできない状況がいわゆる実車評価問題と呼ばれているものです。

実車評価の多くは医療機関と自動車学校が連携して行われますが、自動車学校の繁忙期などはそもそも受け入れ自体が難しいという問題がありました。
また、高次脳機能障害の知識等が不十分なことや交通事故への懸念なども、自動車学校が受け入れを躊躇している原因となっていました。※2

冒頭の言葉は、まだ私が担当になって間がなかったころ、実車評価問題の改善を訴える医師に対し、「実車評価などしなくても、シミュレーターや他の検査でわかるんじゃないですか?」とお伝えした際に、返ってきたものです。

当時の私は、実車評価について十分に理解できておらず、「シミュレーターや他の検査でも判断できるのではないか」と考えていました。
しかし、その医師とのやり取りをきっかけに、私は実車評価について解決にむけて…改めて学ぶようになりました。

誰かが行動しなければ解決しない

自分の無知を大いに反省するとともに、これをきっかけに実車評価問題解決への想いを強く持つようになりました。

解決策を模索する中で、実車評価には自動車学校の受け入れ問題だけでなく、車両装備の不足、対応する作業療法士の負担、実施に係る費用の問題など、他にも様々な問題があることを知りました。
また、病気等に関する免許手続きは、元々の制度が難しい上、個人の状態により対応がケースバイケースであることも医療関係者が苦慮する原因となっていました。(違反や事故が絡むとさらに流れは複雑化します)

「既存の枠組みでは解決できない。別の力が必要だ。」

誰かが行動しなければと考えるようになりました。
そして、病気や障害に関する免許行政に携わってきたこれまでの経験を活かせば問題の解決に役立てるのではないか、このような想いから運転評価(DrivingAssessment)を支援する会社「DAサポート」を起業するに至りました。

運転できる喜びに貢献する

残念ながら、現在も病気等を原因とする事故は全国で発生しています。
また、高齢運転者による事故も近年の社会問題となっています。
一方で、車の運転は単なる移動手段にとどまらず、活力ある生活を送る上で非常に重要なものとなっており、免許を返納したら家に閉じこもるようになったという話もよく聞かれます。
DAサポートは、運転評価を病気や障害のある方だけでなく、永く安全に運転を続けるための「運転の健康診断」として、多くの方の将来を考える材料としていただきたいと考えています。

「運転できる喜びに貢献する」

この言葉を胸に、DAサポートは運転評価という分野から安全な交通社会と、関係機関を繋ぐ架け橋となり、安全な交通社会の実現を目指します。

※出典1:日本高次脳機能障害学会BFT委員会、運転に関する神経心理学的評価法検討小委員会
 『脳卒中、脳外傷等により高次脳機能障害が疑われる場合の自動車運転に関する神経心理学的検査法の適応と判断』2022年、p.1

※出典2:一般社団法人全日本指定自動車教習所協会連合会
 『高次脳機能障害を有する運転免許保有者の運転再開に関する調査研究委員会報告書』平成31年4月

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